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浦和地方裁判所 昭和56年(わ)250号 判決 1982年2月25日

裁判所書記官

棚澤隆

本店の所在地

埼玉県大宮市北袋町一丁目二九九番地八

法人の名称

株式会社 コスモス

代表者の住居

埼玉県川口市東領家二丁目三五番五号

第二つくしマンションB四〇五号

代表者の氏名

堀口昭一

本籍

鹿児島県肝属郡東串良町川東三九六五番地

住居

埼玉県川口市東領家二丁目三五番五号

第二つくしマンションB三〇五号

会社役員

堀口昭一

昭和一七年七月一〇日生

右両名に対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

被告会社株式会社コスモスを罰金二二〇〇万円に、被告人堀口昭一を懲役一年六月にそれぞれ処する。

被告人堀口昭一に対し、この裁判確定の日から三年間、その刑の執行を猶予する。

訴訟費用は、被告会社株式会社コスモス及び被告人堀口昭一両名の連帯負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社株式会社コスモスは、埼玉県大宮市北袋町一丁目二九九番地八に本店を置き、玩具等の製造販売等を目的とする会社であり、被告人堀口昭一は、被告会社の代表取締役としてその経営全般を掌理しているものであるが、被告人堀口において、松井道人と共謀のうえ、被告会社の業務に関し法人税を免れようと企て、仕入及び諸経費を水増架空計上するなどの方法により所得を秘匿したうえ、昭和五三年七月一日から同五四年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が三億五、六〇五万七、八六六円で、これに対する法人税額が一億四、一五八万二、八〇〇円であったにもかかわらず、同五四年一〇月三日、大宮市土手町三丁目一八四番地所在の大宮税務署において、同税務署長に対し、同事業年度における所得金額が一億三、一七二万八、一五五円でこれに対する法人税額が五、三六一万七、二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により被告会社の同事業年度における正規の法人税額一億四、一五八万二、八〇〇円と右申告税額との差額八、七九六万五、六〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

1  第一回、第二回及び第四回各公判調書中被告会社代表者及び被告人堀口の供述部分

2  被告人堀口の検察官に対する供述調書

3  被告人堀口の大蔵事務官に対する各質問てん末書

4  第三回公判調書中証人松井弘及び同松井道人の各供述部分

5  松井道人、堀口芳江、矢澤久子及び平澤小百合の検察官に対する各供述調書

6  松井道人の大蔵事務官に対する各質問てん末書

7  大蔵事務官作成の告発書

8  大蔵事務官作成の「54/6経費調査書」と題する書面

9  大蔵事務官作成の「54/6買掛金・未払金水増額調査書」と題する書面

10  大蔵事務官作成の「54/6製品製造原価調査書」と題する書面

11  大蔵事務官作成の「架空製品製造原価調査書」と題する書面

12  大蔵事務官作成の「架空借入金の調査書」と題する書面

13  大蔵事務官作成の「事業税認定損(未納事業税)調査書」と題する書面

14  大蔵事務官作成の「その他所得(P/L)調査書」と題する書面

15  大宮税務署長作成の昭和五五年九月五日付証明書

(法令の適用)

被告会社につき

罰条 昭和五六年法律第五四号による改正前の法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項

訴訟費用 刑事訴訟法一八一条一項本文、一八二条

被告人堀口昭一につき

罰条 刑法六〇条、昭和五六年法律第五四号による改正前の法人税法一五九条一項

刑種の選択 懲役刑

刑の執行猶予 刑法二五条一項

訴訟費用 刑事訴訟法一八一条一項本文、一八二条

よって、主文のとおり判決する。

出席検察官 佐藤安宏

同 弁護人 小原正列 三好徹

(裁判長裁判官 米沢敏雄 裁判官 千川原則雄 裁判官 若林辰繁)

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